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おヤクザさんとの関わりで僕が得た11の学び

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ヤクザ、暴力団。おヤクザさんとの関わりって世の中で禁句ですよね。Wikiには「ヤクザとは、組織を形成して暴力を背景に職業として犯罪活動に従事し、収入を得ているものを指す」と書いてあります。それはもちろん、関わりなんて以ての外なのが当たり前です。なので僕も20代から30代前半にかけてお会いしたおヤクザさんの話はこれまで一度もネットで書いたことがありませんし、リアルでも「ここぞ」という場面のみの鉄板ネタとしてしか話したりはしません。
しかし今回は初めておヤクザさんの話を記事にします。ヤクザの方々と関わった中で学んだことを書いていきます。

 

 


 

 



おヤクザさんと僕の最初の接点は20年前。20歳の時に自宅1階で整体院をオープンさせたのですが、オープンしてまもなくおヤクザさんが来院されました。問診票を書いてもらい、それを見ながらまずは何個か質問を。それから台に寝てもらい準備をしながらもう少し質問、そのうちのひとつで座り仕事なのか立ち仕事なのか知りたくて「どういったお仕事をされていますか?」と聞いたのです。そういう情報って大事ですからね。ただ「色々」という答えが返ってきて若き僕は、無知な僕は思うわけですよ、色々って何?と。でも施術中に気づきました、あれれ?白い無地のTシャツなのに絵柄が見えるぞー?あと、小指が無いことにも気づきましたね。この時、色々ってのは色々ってことなのだと学びました。


学び1
色々ってのは色々ってこと

 

 

初めてのおヤクザさん来院から2年ほどして新たに来院していただいたのが長谷さん(仮名)です。仮名といえども何故最初の方と違い名前を出すのかというと、僕の“おヤクザさんからの学び”というのはほとんど長谷さんによってのものだったからです。
「床屋に行ってからここに来たんだけど、どう?後ろもちゃんとできてる?」ぐるりと後頭部を確認し「バッチリです、いい感じです」アイロンパーマの掛け方の上手下手を覚えました。


学び2
アイロンパーマの美しさの基準への理解度

 

 

長谷さんとは映画好きという共通点で盛り上がりDVDを沢山借りました。なんと一番多く借りた年で120本も。面白い映画からクソ映画まで本当に沢山教えていただきました。《ナチュラルボーンキラーズ》という映画は僕の人生でワーストワンの作品となりました。


学び3
《ナチュラルボーンキラーズ》はマジでクソ

 

 

長谷さんは高校時代、県大会決勝がAチームとBチームで自校対決になるような超強豪校の剣道部員だったのでが「同期の部員はほとんどが警察か暴力団」と言っていました。


学び4
人生は紙一重

 

 

長谷さんは整体院以外で会っても必ず「お、先生!こんにちは!」と笑顔で一礼してくれます。頭を下げるのです。もう何年も会っていませんが、今偶然に会っても変わらずそんな挨拶をしてくれるはずです。
僕の整体院は小さな一室なので患者さん同士が鉢合わせしないように予約を組んでいるのですが、ある時、御年配の患者さんの来院が遅くなり結局長谷さんの来院と御年配の患者さんの施術終了が重なってしまったのですが、長谷さんはナチュラルにいつもの挨拶をし、ささっと施術台に寝て施術を始めさせてくれました。そして御年配の患者さんが帰った瞬間「暑っ!!」と起き上がってトレーナーを脱ぎ始め、僕は「すみませんでした、ありがとうございます」とお詫びと御礼を言い、そして長谷さんは「いいよ大丈夫、気にしないで」と笑顔で返してくれて。この話、真夏の出来事なのです。炎天下を歩いてやっと涼しいところに入ったと思ったら他の患者さんがいるから刺青が見えないようにそのまま台に寝る…そんな事をナチュラルにやってのけるって、すごいことだと思います。


学び5
どの世界でも凄い人は凄い

 

 

長谷さんは当時、会長付き人を務めていたので会長が来院する時には施術中ソファに座ってケータイを眺めつつ、じっと待っていました。ある時、長谷さんがお休みの日に会長が来院、付き人役は随分若い2人(おそらく当時の自分と同世代)が来たのですが施術開始から10分くらいで2人とも爆睡。ちなみにその日は運転手も若手だったみたいで施術中ずっと外でエンジンをふかしていました。長谷さんの日頃の仕事っぷりに慣れているの僕は若手たちを同世代だとわかりつつも「まだまだ青いな」と思ってしまいました。


学び6
若いとまだ青さや馬鹿さが隠しきれない

 

 

若手を「青いな」とか言ってる僕ももちろん客観的に見たら随分青さや馬鹿さに溢れているので…今でも忘れられない失態「師匠はまだ整体やっているのかい?」「はい、やってますけど、まぁ65歳くらいかな?もう歳ですからねぇ」という発言を65歳前後の会長にしてしまうという。爆睡してた若手なんて比じゃない馬鹿さ。でも会長は笑って流してくれて。一般人には優しい。器のデカさを感じました。そうそう施術中に若手がエンジンをふかし続けた時以降、会長の来院は徒歩になりました。馬鹿な若手のせいで近所に迷惑かけちゃいけない、という判断にやはり器のデカさを感じました。


学び7
上に立つ人間は器がデカい

 

 

あ、ちなみに僕の整体院へ最初に来院した“色々”のおヤクザさんは、休院日の時間外に電話をかけてきて「申し訳ありません本日お休みで」「でも今いるじゃん、やってよ」などと言う人で。それがトラウマで僕は“当日予約不可/完全予約制”の今のシステムへ移ったのですが、あの“色々”のおヤクザさんはある時ニュースでお名前をお見かけし、その後来院することはありませんでした。


学び8
どの世界もダメな人はダメ

 

 

また、別の組の組長さん宅へ出張整体に呼ばれていた時期があるのですが、トイレにある大きなライオンの像とリビングにある自分の身長より高い壺の必要性が全くわかりませんでした。あと便器の座る部分、丸じゃなくて四角でした。


学び9
大理石の便器は冷たすぎ

 

 

ホテル出張で部屋に行ってみるとおヤクザさんだった事が何度かあるのですが、全国ニュースでおヤクザさんの揉め事が流れていた時期に、珍しく昼間「今からやってほしいと依頼ありまして対応できますか」とホテルからの連絡が入りまして、急いで行ったら「この部屋は何かヤバい」と感じたことがありました。おヤクザさんの施術をこれまで沢山してきて僕が一度も感じたことのない、一般人の自分にも危険が及ぶかもしれない“ヤバさ”を感じたのです。部屋に入るなりものすごい目でじっと僕を見て、おそらく僕が整体師か自分をやりに来たやつなのかを見定めるかのような…あの経験はさすがに怖かったです。


学び10
揉めて身を隠すようにホテルに泊まるおヤクザさんは怖い

 

 

学びの最後はやっぱり長谷さんで。長谷さんは痛風だったので症状が出てる時は足の指を触れない場合があったのですが、会長付き人だった長谷さんはしょっちゅう会長のお供で県外へ行っていまして、それで戻ってきてすぐの施術の際にはほぼ必ず「ごめん、今日は足の指輪触らないで」と。県外へと慌ただしくいく時期なんかは少しずつ肥えつつどんどん痛がり方が大きくなって、「でも食べてくるけどね」と笑う長谷さんに僕は心からに「お疲れ様です」と思うのでした。


学び11
どの世界も接待や会合のお付き合いは大変

 

 


 

 


 

 

以上、おヤクザさんとと関わりで僕が得た11の学びした。この記事を読んでくれた皆さんが僕の学びを少しでも吸収してくれたら嬉しいです。

そして今回の最後は、どうしても伝えたいこの話を。長谷さんにとにかく沢山の映画のDVDを借りてきましたが、「コレ観なくちゃ映画好きを名乗れないよ絶対観てね最高だから」と長谷さん史上一番推し、そして長谷さんに借りた映画で僕史上一番印象に残ったのが、そうです《ゴッドファーザー》です。

「おヤクザさんに借りて観た映画が《ゴッドファーザー》」飲み会とかででこのネタ使うと絶対ウケる。コレ、リアルで「ここぞ」という場面にのみ使う鉄板ネタ。
長文となりましたがお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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