はじめに
このコラムはこれまでボイスブックコンテンツWritoneにて公開されている《ライトーンモグコラム》のエピソードです。文章作品ではなく、あくまでも音声作品として書いたものですので、文章はオマケ程度でボイスブックをお楽しみいただけたら嬉しいです。
作品説明
2019年のボイスブック。前回のエピソード《卒園式まで1ヶ月》のその後のエピソードです。
ボイスブック
ボイスアクター：ようじろう
世界の王様
先日、息子ミツナリの幼稚園の卒園式。生後数ヶ月から静岡の保育園に通ったミツナリだけど、年中組から2年間は佐賀の幼稚園へ。静岡と佐賀の言葉の違いや、保育園と幼稚園の違い、親としてはすごく心配だったけれどすぐに馴染んで元気に2年間過ごしてくれて。ここまでよく頑張ってくれて、そして迎える卒園式だからね、僕も朝から緊張していたんだけど。
幼稚園に向かう車内にて、何気なく嫁の足元の袋を見たらスリッパが一足。
「あれ？僕のスリッパは？」
「え？必要だった？」
持ち物にスリッパって書いてあったら普通、ちゃんと2人分持っていくでしょー？驚きだよ、信じられないよ、旦那に対して冷たすぎじゃない？
気を取り直してさ、卒園式。だったんだけど、うーん。僕の前に座るパパ2人が気になって気になって。
どちらのパパもビデオカメラを構えて。左のパパさんは娘が卒園証書を受け取る一連の流れをカメラに…ってパパさん泣きすぎて手が恐ろしいほどに震えている！そんなに？ねぇ、そんなに？さすがにそこまでは現代の手ブレ補正技術でも補えないよ。まぁでも、手ブレ補正は効かず、帰って観返した時にはママさんに物凄く怒られるだろうけど、きっと20年後にそのブレブレのビデオを見た娘には「もうパパったら泣きすぎだよ」って逆にブレブレなのが素敵な思い出、みたいな、うん思い出補正はされるんだろうね。ふふ、山田君、上手い事言う僕に座布団一枚。
そして右のパパさんはブレずにしっかり撮っていたんだけど、式の後半はずっと、撮ったり撮らなかったりだったんだよね。残りのプログラムは２つ、“卒園児童の歌”の時にカメラのディスプレイ見たら「残り6分」って出ていて。なるほど、それで撮ったり撮らなかったりだったのね。それに気づいた瞬間から僕はソワソワ。クライマックスの今、最後までしっかり録画出来るのか！？って。歌が終わりこのプログラムは終了、かと思ったら、なるほど、歌2曲だった。歌が終わって残り1分。よく耐えたね、あとは最後のプログラム・園児退場だけだね、って思っていたら想定外、退場前に“退場の歌”的な感じでまた歌いだしてさ。結局そのパパさん、退場シーンはスマホで撮ってたよ。
ね、そんな感じでまぁ、とにかく気になって…僕は卒園式に集中できていなかった感はあるんだけれど…でもホント、素敵な卒園式だったという事を報告いたします。あ、あと、心配されたズボンはちゃんと履けた事も報告いたします。2年前の娘ホノカの小学校入学式はスーツ着ている間、ずーっとお腹引っ込めてなきゃいけなかったけど、今回は引っ込めずに履いていられた事を報告いたします。
最後に。卒園式で貰った記念のDVDには子供達の写真とそれぞれの“将来の夢”が書かれるスライドショー。ミツナリはサッカー選手かな？警察官かな？とか考えつつ観たら…ミツナリの将来の夢は“世界の王様”。なんだそりゃ。
モグコラム <一覧>
気になる / 滲み出て / 届けてこそ / 情熱を注ぐ / 夢の世界 / 抱いた敬意 卒園式まで1ヶ月 / 世界の王様 /
