作品情報
ジャンル:青春(ジャンルの分け方が分からず)
企画:雨の日企画 参加作品(ふわり主宰)
あらすじ
だからホントここだけの話、アイスウインナーコーヒーがオススメです__
ボイスブック
この作品はボイスアクター・つゆさきりなにより音声化されています。
私ね、こんな雨の日にはいつもアイスウインナーコーヒーって決まっているの。ホットじゃない、アイスのウインナーコーヒーだって。
もう1年半くらい経ったかなぁ、あの頃の私は、なんだったんだろう…上手くいかないことばかり、ちょっと荒れていてね。プライベートが荒れるとお肌も荒れるの、連鎖なの。そうしたらもちろん仕事も上手くいくわけなんてなくて。ね、やっぱり連鎖しちゃうよね。
それでね、あの日も雨が降っていて。朝、会社までもう少しってところで、私、立ち止まっちゃって。
何かを考え込んでいたわけじゃないの。何も考えられなくなって立ち止まり。きっと考えることを私自身がやめちゃって。気づいたら会社とは違う道へと歩き出していたの。
そのままいくつか交差点を曲がり、会社から少し離れた路地を歩いていたらね、見つけた小さなカフェ。入口にね、可愛いカエルの絵が描かれた“営業中”の看板があって。「あまり人通りの無い道なのにこんな時間にもう営業してるんだぁ」って驚いたけれど、カエルの絵がこんな雨の日にピッタリだなって思って入ってみたの。
私ね、こういう小さなカフェってあんまり来た事なかったから何を注文したらいいのかわからなくてお店の人に聞いてみたの。「朝ごはんは食べてきちゃったからモーニングじゃなくてドリンクだけでいいんですけど…何かオススメはありますか?」
そうしたらそのお店の人…あ、その人がカフェのオーナーさんだったんだけど。「当店は豆に拘っておりますのでブラックでぜひ。と言いたいところなんですが実はここだけの話、僕、アイスウインナーコーヒーが好きでして。なんか…御褒美みたいな?頑張ってる自分に御褒美、みたいな?だからホントここだけの話、アイスウインナーコーヒーがオススメです。」って。オーナーさん面白くて、ふふって笑っちゃった。それで言ったの「私もここだけの話、アイスウインナーコーヒーを…御褒美を注文したいんですけど、いいですか?」って。
今ではわかるの。あの時の私はきっと暗い顔をしていたんだって。疲れた顔をしていたんだって。オーナーさんはあの時、私を見て、私にピッタリのドリンクをオススメしてくれたの。あの日以来、アイスウインナーコーヒーは私の1番好きなドリンク。
だからこそ、アイスウインナーコーヒーはね、あの日みたいな暗い顔でなんて絶対飲まないって決めているの。いつも私らしく頑張ろう、毎日を精一杯頑張ろう、そして雨の日には御褒美、笑顔でアイスウインナーコーヒーを飲もうって。
あ、もうこんな時間。もうそろそろ出ないと出勤前にカフェへ寄る時間が無くなっちゃう。さぁ急げ急げ、出発しよう。こんな雨の日にはいつも御褒美の、アイスウインナーコーヒーって決まっているの。
いかがでしたでしょうか。《雨の日には》楽しんでいただけたでしょうか。個人的には「プライベートが荒れるとお肌も荒れるの、連鎖なの。」という一言を書けて満足です。この作品で何故アイスウインナーコーヒーを推しているのかというと、深い話になってしまうのですけど、僕がアイスウインナーコーヒーを好きだからです(全然深くない)。でも、いいよね。アイスウインナーコーヒーっていいよね。ホットのウインナーコーヒーと違ってどこにでもあるわけではないけれど、もし見つけた時にはぜひこの作品を思い出して、飲んでもらえたら嬉しいです。あ、ちなみに、アイスウインナーコーヒーの飲み方にもこだわりがあって…まぁそれは、またの機会に語るとします。
Writone&SPOONコラボ 【雨の日企画作品】
企画中、企画終了後問わず、SPOONでの使用可
SPOONでの使用条件…先にWritoneにて音声化すること/音声化後に非公開化をしないこと/Writone&SPOON以外では許可の無い使用をしないこと
《雨の日には》は他のアクターにも音声化されています。
聴き比べて貴方好みの《雨の日には》を見つけてください。
★アクター:さゆり
★アクター:いち
★アクター:ふわり
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(※近日アップ予定です)