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父の威厳を護り抜け

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日曜、妻が仕事から帰ってくる前、早めにお風呂を済ませる事に。というわけでウチの少年ボーイが先陣切ってお風呂へ。小学3年生にして職人技な風呂掃除をする男。

お風呂を洗い終えてから湯を張り、少年ボーイと一緒にお風呂に入る。この時にはいつものように少年ボーイの職人技な背中洗いが炸裂する。

じっくり身体を温めてお浴室を出る。そして気付く、パンツが無いと。困った。脱衣室のドアを開けリビングを覗くとパジャマの少年ボーイが寛いでいる。どうするべきか。

考えろ。「えへっ、とーちゃん、パンツ忘れちゃった」と戯けて脱衣室を出るべきか。待て。「まーた、忘れ物?」と言われるのが目に浮かぶ。

考えろ。「少年ボーイ…少年ボーイ…パンツ…持ってきて…」待て。「今度はパンツ忘れたの?」あぁ絶対言われる。

考えろ。少年ボーイにバレずないよう2階に上がるのどうだろうか。再びリビングを覗きイメージ。このまま脱衣室のドアを開けたら少年ボーイはおろか、外からも見えてしまう可能性。カーテンと少年ボーイをどうにかできれば。

浮かんだ案の中から“少年ボーイにバレないよう2階へ上がる”を選択。作戦はこうだ。少年ボーイがカーテンを閉めているうちに、つまりこちらに背を向けているうちに階段を昇る。

いける。これは、いける。冷静にいこう。大丈夫。気持ちを落ち着けながら靴下を履く。

 

エスチョン。
父は威厳を護り抜く事ができるか

 

いざ、作戦開始。
「少年ボーイ、カーテンしめて?」
「うん、わかったー」
立ち上がり脱衣室に背を向けて歩く少年ボーイ、見守る父。カーテンがゆっくりと閉められていく。まだ僅かに閉めきられていないタイミングで脱衣室のドアを開ける。その瞬間僅かに外から見えるが、ここは仕方ない、その“僅か”を犠牲に、作戦を成功させよう。

脱衣室を出た僕は最速の動きで1m前へ。そこから左側にある階段2段目に右足を。ここから更に左足も一段飛ばしでいきたかったのだがアクシデント、左足がフローリングで滑る。何故靴下を履いた。

右脚だけでは立て直せないと判断し両手を使う。判断の早さは自分でも評価したい。おかげでバランスを崩したままでも昇ることができた。5段目からの左カーブ、そのカーブもスパイダースタイルで上がり、もう完全に少年ボーイからは見えない位置となった。

作戦は成功した。僕は声を出して笑った。父の威厳を護りきれたという喜びに、僕は心から声が出た。階段から手を離し笑顔のまや二足歩行へと戻る。そして目が合った。階段を降りてきている少女ガールがいた。忘れていた、小学5年生の少女ガールが2階にいたんだった。何やってんの、という引いた目で少女ガールは父を見ていた。カオナシのように「あ…あ…」と言いながら手で股間と尻を隠して少女ガールの横を通りすぎ父は寝室へと入った。

 

アンサー。
そもそも威厳を護るべき相手を間違えた

 

いいんだよ少年ボーイは。色々丸出しで「パンツがナッシング!」って叫べばそれだけでウケるんだよ。少女ガールだって。思春期の少女ガールを真っ先に考慮すべきなんだって。
なんか少女ガールよ、ごめん。そして少年ボーイよ、カーテンありがとう。こんな父でごめん。お疲れ様でした。

 

 

 

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